避妊の方法でまず最初に思い浮かぶのがコンドームですが、コンドームを使えば100%避妊できるというわけではありません。
何らかの影響で破損してしまったり、取れてしまう可能性もあるからです。
それに気付かず性交渉をしてしまうと、妊娠してしまう可能性もあります。

性交渉後にコンドームの異常に気付いた場合、妊娠してしまう確率を下げることができるのが「ピル」です。
ピルは経口タイプの避妊薬であり、即効性の高い薬です。
そのため、女性にとっては万が一のことを考えて、常備しておきたいと考える方も多いです。

しかし、ピルはコンドームのように薬局やドラッグストアなどには売っていないため、手軽に購入することはできません。
では、なぜピルは薬局などでは売っていないのでしょうか。その答えは、ピルがどういうものかを知ることで分かります。

ピルの効果はいっぱい!

ピルは、妊娠を望まない時に使用する避妊薬として広く利用されています。
避妊薬として利用されるのが「低用量ピル」であり、これには卵胞ホルモンのエストロゲンと、黄体ホルモンのプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンに似た成分が配合されています。
この2つの女性ホルモンが様々な働きをすることで、高い避妊効果を得ることができるのです。

生殖腺刺激ホルモンの分泌を抑える
低用量ピルを飲むと、脳は女性ホルモンが十分に足りている(妊娠した)と判断し、脳下垂体から分泌される生殖腺刺激ホルモンのゴナドトロピンの分泌が低下していきます。
ゴナドトロピンの分泌がなくなると、排卵が抑制されるほか卵胞の発育もストップします。
これによって妊娠を防ぐことができるのです。
エストロゲンの分泌を抑えて受精卵の着床を抑制
低用量ピルの服用で、黄体ホルモンのプロゲステロンが十分な量に達するため、妊娠しやすい体に整えるエストロゲンの子宮内膜を厚くする働きを抑制させることができます。
妊娠するためには、子宮内膜を厚くして受精卵を着床しやすくしなければなりません。
この働きを抑制させることで受精卵の着床が起こりにくくなるため、結果的に妊娠しにくくなります。
子宮頸管の分泌物が精子の侵入をブロック
黄体ホルモンのプロゲステロンは、妊娠を継続させる働きを持っており、子宮頸管の分泌液の粘性をアップさせる働きもします。
通常であれば、プロゲステロンの分泌が増える時期は、卵胞ホルモンのエストロゲンの分泌量は減るようになっています。
しかし、この薬を服用すると両方の女性ホルモンが十分な量に達するため、子宮頸管の分泌液は、精子の通過を遮るバリア役となり避妊効果を高めます。

低用量ピルには、これら3つの避妊効果が得られるためより高い確率で妊娠を避けることができるのです。
さらに、避妊効果以外でもピルは利用されています。

月経不順の改善
低用量ピルで定期的に月経が訪れるようになるため、月経周期を改善させることができます。
この働きを利用することで、月経が訪れる日を変更するなどの調整が可能となります。
PMS(月経前症候群)などの軽減
月経が近付くたびに心身に悪影響が起こる、PMS(月経前症候群)に悩まされている女性は多いです。
低用量ピルを服用することで、PMSによる頭痛やイライラ、月経痛などを軽減させることが期待されています。

婦人病のリスクが減る
プロゲステロンの働きでエストロゲンの分泌が減るるため、子宮内膜の肥大が抑えられ、結果的に子宮内膜症などのリスクが減るようになります。
また、エストロゲンとプロゲステロンは分泌量のバランスをとることで成り立っていますが、プロゲステロンよりもエストロゲンの分泌量が増えた状態が続くと、子宮の病気につながるリスクが上がります。
この薬を服用することで、2つの女性ホルモンのバランスを保つことができるため、子宮へ悪影響も抑えることができます。